b進素数大富豪の考察
この記事は、素数大富豪Advent Calendar 2018 15日目の記事です。
前回の記事は、マモさんの「先手有利を軽減するプレイ方法の紹介」でした。
この記事には、先手有利を軽減する有効なソリューションがいくつも紹介されていて、どれも自分にはない発想だったので、とても面白かったです!個人的に、②番と④番を組み合わせる事で、先手有利の大きな二つの要因を対処できるのではないかなと思いました。
さて、素数大富豪研究会に参加してきて…という話は前回しましたが、それとは別に、その研究会の企画の一つに、せきゅーんさんの講演がありまして、その中で自分が感じたことがあります。b進素数大富豪についてです。b進とは→*1
b進素数大富豪
素数大富豪において、T,J,Q,Kは、10進法上で結合するという特殊なルール*2があることはご存じのことと思いますが、公式ルール*3には、普段私たちが使う10進法以外でも、素数大富豪が遊べるように設定されているのです。
たとえば8進素数大富豪で91を出すとき、9を8進数に変換して11、1を変換して1、それを結合するので111(8)=71となり、これは素数です。
これを踏まえて、素数大富豪をよりその場で計算するゲームにするために、研究会中に考えたルールを紹介します。
2D6進素数大富豪
1.サイコロを2つ振ります。
2.(出た目の和)進数で素数大富豪をします。
たったこれだけで、いつもの素数大富豪がめちゃくちゃ計算が大変なゲームに早変わりします。ちなみに、2D6というのは、TRPGなどで使う6面ダイス2つの和を意味します。
※少なくとも初心者向けではないので注意してください。
これを考えると、サイコロの和の最小値2から、最大値12までの出目によって、どのように戦略が変わるのかが気になります。
2D6素数大富豪は、素数判定を楽しむようなルールなので、bによってどのような素数が判定しやすいのかを表にまとめました。
この表では、計算のしやすい3つの判定法に絞って、カバーできる素数をまとめたものです。この3つを選んだ理由は、この3つは全てのbに判定できる数が存在することと、b進法上で計算する必要がないことの2つです。
一見すると、bが大きくなればなるほど、カバーできる素因数が多く、素数判定しやすいように思えますが、bが大きくなればなるほど桁あたりの大きさが大きくなるので*4、数自体が大きくなりやすく、素数である確率も相対的に減っていきます。
しかし、13までのトランプを、一度b進数に変換するとき、b進法上で桁数が少ない方が計算しやすいのは間違いありません。その点で、b=2の時13(10)=1101(2)で4桁、b=3の時13(10)=111(3)となり、この2つはゲームとしての難易度が高いと言えます。
ここで、b進数で表された数を、b^2進数、ないしb^3進数に直すことを考えます。
b進数からb^2進数に直すには、数を2桁ごとに区切り、それぞれでb^2進数に直せば良いです。たとえば、1011(2)を4進数になおすには、10,11をそれぞれ4進数に直し、2,3となり、1011(2)=23(4)となります。
これを使えば、たとえば2進数で5の倍数判定をするとき4進数に直してから交代和を取ることで判定できます。同じように8進数に直してから7の倍数判定をすることも。
もちろん、bによらずに、b進数を10進数に直すことができれば、素数判定はとても容易になるでしょうが、それを暗算でやるのは少々ハードルが高いでしょう。枚数が大きくなるとなおさらです。試しに、TJ(8)を10進数に変換してみてください。*5
このように、様々な計算方法を駆使して素数判定ができるのがこの2D3進素数大富豪の魅力ですが、前述の通り、よほど計算が好きで得意でないといやになってしまいそうです。
是非やってみてください!(押し売り)
素数大富豪アドベントカレンダー、明日はせきゅーんさんの「新しい遊び方提案」です。
素数大富豪 Slack ワークスペースの紹介
この記事は、素数大富豪 Advent Calendar 2018 4日目の記事です。
昨日は、マモさんの 素数トランプにおける最大素数 - まもめも でした。
今年9月、素数大富豪研究会が北海道にて行われました。
こちらに、もりしーさんが詳しい記事を出しています。
自分もプレゼンターとして参加しました研究会ですが、その中のパネルディスカッションにおいて上がった課題に、「素数大富豪について議論する場がない」というものがありました。その後、素数大富豪で遊ぶ場所への移動中、でこぽんさんの提案により、(あくまで個人で、研究会組織とは別に)Slackのワークスペースを立てた次第です。
そのメンバー・活動を増やすべく、活動をここに紹介させていただきます。
#development 開発
ソフトウェアや、それに準ずるものの開発に関する議論をする場です。数譜の議論などもされています。
#pr 広報
広報活動に関する議論・報告、また、新規プレーヤーに教える方法などについてもここで議論します。
#strategy 戦略
素数大富豪の戦略について議論する場です。
#blogs ブログ等
ブログ等、素数大富豪に関連したメディアをまとめます。
#tetsuko_room 徹子の部屋
昼の12:13に、ルールルッ ルルル ルールルッと投稿するための部屋です。でこぽんさん曰く「明日絶対昼までに起きるぞー!って時にでも使ってください。」とのことです。
また、素数大富豪Slack内で使える絵文字を、tatyamさんが作ってくれました。
このように、現在素数大富豪Slack内では、あらゆる議題に対して並行的に議論を進めています。気軽に議論ができる反面、まだまだ人数が足りないので、満足な状態まで議論が進まない事があります。是非、Slackで活発な議論をしていきましょう!
今後、ここから発生したプロジェクトが大きくなっていく可能性も十分にあります。下記リンクから、どなたでも参加できるので、是非ご参加ください!
Slack内で素数大富豪に関するイベントをできたらいいな…と思っています。近々開催するかもしれません。
蛇足になってしまいますが、今後、このSlackに望むことを書かせてください。
これまでの素数大富豪の戦略等の情報について、素数大富豪世界一を決めるMathPower杯という大会もあり、そのようなゲームの性質上、それがクローズドになりやすいのが実情でした。ただ、競技人口の多い将棋などならともかく、素数大富豪においては、それはゲーム自体の発展の妨げになってしまう可能性があります。また、これまで何か戦略的なことを提言するとしても、(少なくとも、北海道の1プレーヤーから見ると)個人単位の発言が基本でした。そんな状況の中で、上述したように素数大富豪研究会が開催され、その後もりしーさんが素数表を公開する*1など、個人ではなくある程度パブリックに議論ができるようになる、次のステップに突入してきたような気がします。また、それを組織化し、目的として達成できるひとつの大きな手段がSlackのこのワークスペースです。
こうした戦略的な発展も、新規プレーヤーの獲得と同じように重要だと思うので、こうした発展のために、情報を定式化したいと考えています。Slackのここでの立ち位置は、情報の定式化に向けた土台作りの議論をする場、とでも言いましょうか。
以上です。ここまでの閲覧、ありがとうございました。
明日は、butchi_yさんの、「素数大富豪研究のためのMathematicaユーティリティー関数」です。楽しみにしております!
語呂素数判定ソフトができました。
語呂素数判定ソフトができました。
最新情報をここで発表していきます。
ver0.1.4 '18 9/18 最終更新
語呂の登録時、追加されないバグを修正しました。
それに関して、一部軽微な仕様を変更しました。
ver0.1.3 '18 6/13 更新
新たに、語呂の削除機能を追加。併せて、いくつかの表現の変更などを行いました。
ver0.1.2 '18 6/13 更新
バグの修正。
ver0.1.1 '18 6/6 新規作成
g.entryからの基本セットの登録を聞かれたときに、必ずエラーが発生します。findから登録した後、もう一度g.entryに入ることで回避できます。ご迷惑をおかけして申し訳ないです。修正されたアップデートファイルをすぐに公開予定です。
動作動画です。 pic.twitter.com/yx5RLTBYg9
— るいあ (@ruia_prime) June 8, 2018
偶数使用の極意
偶数、余ってませんか?
試合の終盤、奇数を引いた方が勝ち…
今日はそんな試合から脱出しましょう!
A~Kのうち、奇数は7枚、後ろにつけることのできない5を除くと6枚になり、半分を下回ります。
また、2枚出しは、必ず5以外の奇数を消費するため、2枚出しを続けていると、確率的に偶数が増え、奇数が減ることがわかります。そのため、偶数を多く消費する、3枚出し以上の素数を覚える必要があります。
そこで、1,3,7,9の奇数の用途を、素数の末尾につけるもののみに制限してみます。そうすることで、無駄な奇数の消費を抑え、勝ちやすくします。
以下、偶数消費の多い3枚出し素数のまとめです。
5を偶数と見なし、並び替えてより強くなるものは除いてあります。
200 | 400 | 500 | 600 | 800 |
---|---|---|---|---|
223 | 421 | 521 | 641 | 821 |
227 | 443 | 523 | 643 | 823 |
229 | 449 | 541 | 647 | 827 |
257 | 487 | 547 | 653 | 829 |
263 | 4211 | 557 | 659 | 853 |
269 | 4513 | 5413 | 661 | 857 |
2213 | 4813 | 673 | 859 | |
6211 | 863 | |||
881 | ||||
883 | ||||
887 | ||||
8513 |
Xに、1,3,7,9どれを入れても素数になる82Xは、四つ子素数の一つで、上級者の間でも頻出します。800台の素数だけでも覚えておくと、手札に偶数が多いときでも、打開策が見つかると思います。
次に、絵札を2枚以上使った偶数消費型の素数です。
4桁 | 5桁 | 6桁 | ||
---|---|---|---|---|
10 | 12 | 10 | 12 | |
1021 | 1223 | 10103 | 12101 | 121013 |
1049 | 1229 | 10211 | 12107 | |
1051 | 1249 | 10513 | 12109 | |
1061 | 1259 | 10613 | 12211 | |
1063 | 1289 | 21011 | 12413 | |
1087 | 2129 | 21013 | 12511 | |
5101 | 4127 | 41011 | 12611 | |
5107 | 4129 | 81013 | 12613 | |
6101 | 6121 | 21211 | ||
7103 | 8123 | 41213 | ||
7109 | 61211 |
全てを覚える必要はないと思いますが、自分の手札の余りやすい偶数を分析して、それに合った素数を探してみてください。
ちなみに、2101Xも四つ子素数です。
今日は、桁も多く、覚えにくい素数を紹介しました。一つずつ、覚えやすいものから覚えていってください!
以上、るいあでした!
そうだ、2枚出し素数を覚えよう
2枚出しを覚えて、強くなる最初の一歩を踏み出しましょう!
とその前に、素数大富豪でよく使われる記号についてです。
A:1、T(テン):10、J(ジャック):11、Q(クイーン):12、K(キング):13
たとえば、1213はQKのように表現されます。
まずは、100以下を見てみましょう。
11
13
17
19
23
29
31
37
41
43
47
53
59
61
67
71
73
79
83
89
97
また、これに加えて、57を例外的に出すことができます。
詳しくはこちらを参照してください。
57より小さい2枚出し、奇数のみの2枚出しはあまり出されません。理由は、57より小さいと特に返されやすく、奇数が多いと手札の偶数が多くなり、勝ちにくくなるためです。
次に絵札を使った2枚出しです。
101
103
107
109
113
119
127
131
137
139
211
311
313
613
811
1013
1213
絵札を使った2枚出しは頻出します。中でも、811以降の、強さTOP4や、10を消費できる、101,103,107,109,1013は特によく出されます。覚えておくと良いでしょう。
また、127,1213は、12を消費できる少ない方法の一つです。これもよく出されます。
これらの素数を覚えて、素数大富豪の一歩を踏み出してください!
以上、るいあでした!
3の倍数判定法-人力素数判定への扉-
3の倍数判定法のお話です。
倍数判定法とは?
その名の通り、ある数がその倍数かどうかを見分ける方法です。
3の倍数判定法なら、3の倍数かどうかを判定します。
また、3以外の3の倍数は素数ではないので、素数でない数字を出すことを回避できます。
3の倍数判定法
ある数が3の倍数かどうか判定するには
①ある数の各位の数字をすべて足します。
②足した数が3の倍数か判定します。
③3の倍数なら、その数は3の倍数、そうでないならその数も3の倍数ではない。
例
131311を3の倍数か判定したい
各位の数字をすべて足すから、
1+3+1+3+1+1=10
10は3の倍数ではないから、131311は3の倍数ではない。
例2
234567を3の倍数か判定したい。
各位の数字をすべて足すから、
2+3+4+5+6+7=27
27は3の倍数だから、234567は3の倍数である。
すべての位を足して、3の倍数か判定するだけです。
これは、素数判定への第一歩となります。
また、いろいろな素数判定法を試すことで、合成数を出しにくくなります。
いろいろな数を倍数判定して、出してみてください!
以上、るいあでした!
4枚出し戦法徹底攻略!
4枚出し戦法とは、もりしーさん考案の戦法です。
初期手札11枚、1対1、先攻時に使える戦略で、手札を4枚-4枚-3枚に分け、それぞれ先に出す手(以下、先行手)、勝負手、勝利手として勝つというものです。
特徴
1対1、初期手札11枚の時に使える戦法で、先手の時しか使えません。
絵札が3枚はないと厳しく、勝負手より強い4枚出しを相手が持っていると失敗します。
必要な素数力は、4枚8桁、4枚7桁、4枚4桁、3枚3桁。できれば、4枚5桁、3枚4桁。
前回の記事で、4枚4桁の覚え方を考えました。
これで、先行手を出せるようになりました。
また、勝利手は、以下の記事で3枚出しを攻略しました。
4枚出し戦法に必要なのは、残すところあと勝負手のみ。
今日の記事は勝負手について攻略していきます!
勝負手は、その手で手番を取らなければいけません。よって、手札で1番強い4枚出しを作ります。
表は降順です。
8桁(6種)
13111211 |
13111013 |
13101211 |
12131113 |
12121211 |
11131111 |
7桁(75種)
6桁(556種)
5桁(ー種)
(リンク準備中)
以上の表から、7桁以降が爆発的に増えますね。6桁では、もはや勝負手として通用しないことがわかります。
よって、7桁までを覚えておくことをおすすめします。
告知
明日、2018/1/27 は、素数大富豪で遊ぼう会in札幌です!
皆さん是非足を運んでみてください!
素数大富豪で遊ぼう会in札幌、次回は1/27(土)にノースエイムの和室で行います!
— もりしー@素数大富豪 (@9973_prm) 2018年1月15日
史上最大の素数が発見されたのが話題ですね。日付の127もメルセンヌ素数です!#素数大富豪in札幌 pic.twitter.com/X8dZ4R0MPH
可能性が広がりますね!
以上、るいあでした!
*1:以下の表を作成するに当たって、素数大富豪 Wikiを参考にしました。ありがとうございます。
*2:並べ替えてもっと強くできる組み合わせは除外しています。